夏みたいな雲一つない空を見上げながら日記を書いている。
テスト前の空きコマにすることではない。それは私が一番わかっている。
前の教室の机に勉強道具を置いてきてしまったのだ。
今その教室では別の学科の授業が行われている。
なんてことはない。その教室のドアを開け、我が物顔でとりに行けば済む話だ。
でもそれができない。できないから、唯一リュックに入っていたパソコンで日記を書いている。
目の前では勉強の準備がばっちりな友達が「よしやるぞ!」という言葉を残して眠りについた。本人曰くちょっと目をつぶっているだけらしい。眠ってないらしい。
もしこの子が目を覚ましたらうまく声をかけて、もう一度眠りにつかせたい。
時間だけが過ぎていく。
全然大人になんかなれていない。
私のお姉ちゃんも本当は社会に対する”女”って役割にうんざりしている。
それでも大人だから、女の子はスカートはいて可愛い格好していたほうがいいなんて言われても笑顔で受け流せる。
いつだってお姉ちゃんは私の50歩も100歩も先にいて、一生追いつくことはできない。
追いつきたいし、横に並んで歩きたいのに、一生追いつくことのできない憧れ。
なんか鼻先に餌をぶら下げられた犬みたいで滑稽だね。
姉は仕事を再開してから、前よりずっと生き生きとしている。良かった。
地元のタワーレコードにおいてあった、私の住んでいる市の名前の付いた、無料コンピでいい出会いをしました。
次の授業が始まりそうです。