漕いでも漕いでも進まない自転車で、運動会をやってる幼稚園の横を通り過ぎて、もう刈られた田んぼ道をとおりすぎて、家庭菜園の域を超えるけど畑にしては小さいところで農作業する老夫婦の横を通り過ぎて、駅に向かう
もう秋なのに最近は暑くって夏の終わりに聞く曲の雰囲気がなんか違う
夏休みになる前に来てた誘いのLINEをやっと返した
彼氏でもできたと思ったって返ってきた
失礼なやつだな、彼氏ができたら先輩からの連絡を無視するような失礼な人間だと思われてたのか
いや、全くその通りで失礼な人間なんだけどさ
彼氏は出来てないけどLINEのやり取りが苦手ですぐ止めてしまう
大学の友達はみんな一生同じ人とLINEしている
返事を期待されている感に耐えられなくてどうにかなるだろって放っておいてしまう
実際、大体はどうにかなる
こんな返事もできないような人間に彼氏なんて出来ないですよって送ったら、卑屈になりすぎ笑って言われたけど、
それじゃああなたはあなたのLINEを無視し続けた私をそれでも誘ってくれるのかと言ったらそうじゃないでしょって、いや誘われても困るんだけどさ
連絡ができなくてまた終わった
夏休みにInstagramに投稿される承認欲求は地獄のようだった
ペアリングを作ってディズニーのホテルに泊まって、サプライズみたいなストーリーが毎日のように流れてきた
大体はホリレコの点みたいになった大量のストーリーを連打で読み飛ばすみたいに飛ばすんだけど
彼氏が欲しいなんて、冗談みたいに何回も口にしたけど、結局私は恋人が欲しい訳じゃなくて、約束が欲しいだけじゃないかって思い始めて
別に同性でもなんでも、先輩でも後輩でも知ってる人でも知らない人でも、きょうだいでもただ一緒になにかしてくれる約束が欲しい
周りがあまりにも色恋沙汰にバタバタしてるからその約束、を恋人、に当てはめてただけじゃないかなって
私はただ、一週間会えなくても、当たり前のように1週間と1日後に会える約束が欲しい
自分の文章に「ただ」が乱立してるのに気が付いて書き直してたけど
その「ただ」のなにかすら手に入れられないのはさ